無心・虚心・雄心
あと10メートル、あと5メートルとじりじりと岩壁を登っていく時の私の心です。
ロッククライミングのとりこになってはや4年。遅々として上達しないが、恐怖心を押さえ込んで、無心で岩と取り組み、虚心で岩に教えを乞い、雄心で一歩一歩岩を登っていく。
足下で紅葉が輝き、とんびがくるりくるりと舞うように上昇してゆき、遥かかなたで海が煌めくのを眺める時、下がり続ける頁単価のことも、どんどん短縮される納期のことも、来週の支払いのことも、いうことを聞かない子供のことも、更年期障害かな?と思う体の不調も、そろそろ親の介護が…なんてことも、何もかも忘れて大自然の中に溶け込んでいく。
なかなか納得のいくクライミングは出来ないが、いつかは自分を誉めてやることができるようになりたいと、精進を重ねているこの頃です。
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